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"いとしのサハー My Dear Saha" 2017.2.8.-2.26 工房親(恵比寿映像祭関連企画)

実家の一軒家は築35年の日本家屋だ。

廊下の隅や隙間などはたいてい闇で、 小さい頃は、電気を消したら絶対うしろをふり向けなかった。

生まれたときから同居していたおばあちゃんが、昨年亡くなった。

プライドが高く気が強いお姫さまのような性格だったけれど、徐々に身体が弱くなり、

最期は穏やかな状態で家族に看取られて亡くなった。

長く病んだ晩年は骨と皮だけで、あちらの世界の住人がこの世に生きているようだった。

私たち家族は背中の曲がった小さな妖精と特別な時間を過ごした。

 

おばあちゃんはある時から幻覚を見るようになった。

電球の穴から人がいっぱいこちらをのぞきこんで、にぎやかに笑っていたそうだ。

私はよくおばあちゃんの夢を見る。近所の人が幽霊になったおばあちゃんを見たとか、

家族と一緒におばあちゃんがいるけど、それは生前の生き霊だとか言われる夢だ。

  

亡くなる前日、病室のおばあちゃんは、鼓動を打つことだけを繰り返していた。 瞳孔はもう開いてしまっていた。

私はおばあちゃんの顔をスケッチした。 こんなにまじまじと見つめたことは初めてだった。

もうすぐ途切れる生命を見つめながら、おばあちゃんという人はどういう人だったのか、

私はよく知らなかったことに気づいた。

 

おばあちゃんと過ごした記憶は鮮明だけど、私が知らなかったおばあちゃんの姿を今は 知ることができない。

一方でおばあちゃんの過去にさかのぼろうとイメージを手繰れば、

私が知っている鮮やかなおばあちゃんはうすれてしまうかもしれない。

ただそこで現れるのはどちらもおばあちゃんで、それはうねりながら存在している。

近くにいるような気がするけど、どこにもいないような気がする。

かとおもえばまたすぐ近くで見てるような気もするし、 やっぱりもうどこにもいないんだとも感じる。

そんな風に、おばあちゃんはまだら模様にうねっていく。

おばあちゃんと過ごした家の柱のしみや扉の隙間には、
ふり向いたらおばあちゃんがいるような気がして、また会えるんじゃないかと時々見つめたりする。

悪夢 Night Mare"  2016.3.24.-4.12. Art Trace Gallery

Whereabouts of Soap Bubbles / Installation at Gellery RIN / 2008

Whereabouts of soapbubbles

Measuring the distance of reality.
The verdure, the transparent light, the heart of a door, a bamboo grove..
a persimmon tree, the feather of a cock, a swing..
Measuring it from behind all of them.
Adults are always right.
I don't have any courage to reach out to reality,
Clinging to my house, an opaque charm sweeps me away,
Being covered by a warm film.
I am under the illusion that my body is filled with lightness
The charm, it comes up to me.
But I am on the point of grasping it,
it dissolves into nothingness.
The viscera of colors remain,
And the light which cannot touch me.
Measuring the distance of reality.

 

 

 

シャボン玉のゆくえ

 

彼女は現実との遠さをはかっている。
みどりの、透けた光の、山の奥の、飛び石の…
引き戸の闇、竹やぶ、柿の木、鶏の羽、ブランコ…
それらすべてのうしろから。
おとなはいつも正しい。
手をのばせば届きそうな現実に、手をのばす勇気はなく
わたしの家にしがみつきながら、不透明な魅惑に押し流され
あたたかい膜におおわれて、身体は軽いと錯覚する。
魅惑は、こちらに向かってやってくる。
さわろうとしても、つかんだ先から頼りなくにげてゆき、
絵の具の内臓がのこり、
そしてさわれない光。
彼女は現実との遠さをはかっている。


imbo. / colabolation work at ZAIM / 2007

 The limbsとは旧英語より、動植物の末端部分、あるいは意識と夢の狭間の浮遊した精神状態を意味する。実像と虚像、現実と空想、肉体と精神、モラルとタブー、生成と破壊…。正反対な現れ方の中間の位置に、芸術は未決定なまま出現する。

 この展覧会は展示自体が日々変化し、二人の人間が創造的な精神を持ったときに起こる別々の地点での反応を感じ取り合い、その中間点を目指そうとした試みです。南條俊輔とのコラボレーション。一週間の展示期間中毎日作品を変化させていきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

NEWS!

百瀬陽子 個展 "My Dear Saha"『いとしのサハー』

東京都写真美術館主催恵比寿映像祭の地域連携プログラムとして、広尾のギャラリー「工房親」 にて個展を行います。

http://www.kobochika.com/homepage/html/now.html

●2017年 2月 8日(水) ~ 2月 26日(日)、(月)休廊
●オープン12:00 クローズ19:00 ただし(日)(祝)(最終日)18:00まで
●ギャラリー工房親(こうぼうちか) 〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿 2-21-3
●オープニングパーティー 2月10日(金)18:00~ 20:00

※18:40からパフォーマンスを行います

 

 

まちの展Vol.3

2016.10.1.sat.-10.10.mon.

11:00 - 17:00 (10/2, 8, 9; 10:00 - 18:00)

茅野市民館市民ギャラリー

長野県茅野市塚原1-1-1

tel : 0266 82 8222

 

http://www.chinoshiminkan.jp

諏訪地域、松本、東京の作家による作品展。今回で3回目の開催です。

市民ギャラリー、本棚ギャラリー(矢崎書店内)に様々なジャンルの作品を展示します。

8日(土)にアーティストトーク、10日(月)にクロージングレセプション、バンド演奏を行います。

 

谷川佳代子 百瀬陽子 二人展

悪夢

2016.3.24.Thu.〜4.12.Tue.

 

ART TRACE GALLERY

130-0021 東京都墨田区緑 2-13-19 秋山ビル1F

1F,Akiyama bldg.,2-13-19,Midori,Sumida-ku,Tokyo 130-0021,JAPAN

TEL 050-8004-6019

JR総武本線両国駅東口から徒歩9分
都営大江戸線両国駅A5出口から徒歩5分

http://www.gallery.arttrace.org


柳田愉美子 百瀬陽子 肖像画展

 

2015.10.26.Mon.〜11.1.Sun.

月光荘画材店・画室1(B1F)

中央区銀座8-7-2 永寿ビル1F・B1F

TEL 03-3572-5605

 

またまた二人展です。柳田愉美子さんとは、画家友達として、また絵のモデルとして長年関わってきましたが、今回彼女の制作から発想を得て、私も肖像画のみの作品を初めて発表します。どうぞお越し下さい。

http://gekkoso.jp

 

講師展


日程:10月18日(日)〜10月31日(土)

12:00〜18:00(最終日17:00終了)

会場:御茶ノ水美術学院1Fギャラリー


講師展では、いつもの授業の中では表に出さない講師の素顔や制作活動に触れることができます。また「美術・デザイン」という仕事のジャンルがとても幅広いことも、同時に感じて頂けると思います。生徒のみなさんは、講師の活動と自分の将来の姿を重ねてみることで、進路について考えるための良いきっかけとなるはずです。期間中に行われるギャラリートークは作家・デザイナーが自らの世界観を語る貴重な時間です。学院生はもちろん、美術・デザインに興味のあるお友達や保護者の皆様の参加も大歓迎です。





Melting Tree

百瀬陽子|クロエ・ジャフェ

2015.04.22 - 2015.04.26            12:00-19:00(最終日17:00)     遊工房アートスペースhttp://www.youkobo.co.jp/exhibition_events/2015/03/melting-tree.html                          〒167-0041 東京都杉並区善福寺3-2-10           TEL:03-5930-5009     FAX:03-3399-7549                    『画家・百瀬陽子とフランス人写真家・クロエ・ジャフェによる写真と絵画のコラボレーション作品。違う言語と環境で生きてきた同世代の女性二人が出会い、感覚を共有し、感情を分け合い、交りあう瞬間に立ち会う。親密な二人展。』

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